校内弁論大会 「ガリレオ・ガリレイから400年、宇宙観の大きな転換期を迎えて」

【今日のひとこと】 2013年6月27日

(木村円香・7期塾生)

私が通います栄東中学校の文化祭初日に、「煌(きらめき)」というテーマで校内弁論大会がありました。「ガリレオ・ガリレイから400年、宇宙観の大きな転換期を迎えて」と題して、中学校1年生から3年生全員を対象に論じましたのでご報告します。

昨年の育成塾夏合宿で、村山斉先生の講義がありました。
村山先生は、難しい宇宙のお話を講義のみならず本でもとても分かりやすく解説されていて、いつも私は引き込まれてしまいます。
今回、私もどうしたら分かりやすく中学生に解説できるのか、興味を持って最後まで聞いてもらえるのか。5分以内という制限時間もあり、十数回原稿を書き直し本番の練習をしました。
大会終了後、教頭先生をはじめ先生方からお褒めの言葉を頂き、また、多くの中学1年生の男子からさらに詳しく知りたくなって調べたという話を聞き、とてもうれしかったです。また、このような機会がありましたら、是非、チャレンジしたいです。

<弁論大会用原稿>
天文学の父と呼ばれる物理学者ガリレオ・ガリレイが、人類で初めて星々を観測してから400年。ガリレオから始まる人類の探求は、今、宇宙観の大きな転換期を迎えています。

皆さんは、宇宙に万物を飲み込む「ブラックホール」があるのを知っていますか?
現在、想像を絶するほど巨大な「ブラックホール」が見つかっており、それは「モンスターブラックホール」と呼ばれています。
これは「全ての銀河の中心にモンスターブラックホールがある」というドナルド・リンデンベル博士の予言に始まりました。
観測の結果、銀河の中心にある星が密集している「バルジ」に「モンスターブラックホール」の存在が確認され、銀河の形成に関与していると考えられており、質量は太陽の数億倍もあります。太陽系がある「天の川銀河」の中心である「バルジ」にも太陽の400万倍もある「モンスターブラックホール」が見つかっています。

また、皆さんは、昨年の「万物に質量を与えるヒッグス粒子が発見された」というニュースを覚えていますか?
ヒッグス粒子は、1964年にピーター・ヒッグス博士によって存在が理論的に予言され、「標準モデル」と呼ばれている17種類の素粒子の内、見つかっていない“最後の一つのピース”と言われていました。しかし、私たちの身の回りの物質のありとあらゆるものは「素粒子」でできていますが、それは宇宙全体の4%を占めるに過ぎないのです。
では、その残りの96%は何でできているのでしょうか?

皆さんは、スター・ウォーズに出てくる「ダース・ベイダー」ではなくて、宇宙には「見えざる影の支配者」がいることを知っていますか?それは「ダークマター」と呼ばれ、重力によって天体の動きや星の誕生に深く関与しており、その残りの96%の内 23%を占めます。この物質は、私が最も尊敬する物理学者の村山斉先生が「標準モデル」とは異なる「超対称性粒子」という素粒子であると存在が予言されています。

そして、皆さんは、「宇宙最大級のミステリー」は宇宙征服を企んでいるエイリアンのSF映画ではないことを知っていますか?それは、2011年度、ソール・パールムッター博士とブライアン・シュミット博士、アダム・リース博士によって、「宇宙は加速しながら膨張していること」が発見され、ノーベル物理学賞を受賞されたことに始まりました。

現在、宇宙がどんどん膨張している原因は、「ダークエネルギー」と考えられています。
現代物理学では説明がつかない「宇宙の真の主役」であり、その残りの96%の内73%を占めます。そして、138億年前宇宙はビッグバンで始まり、今後どんどん膨張を続けていくとどうなるのでしょうか。「ビッグ・フリーズ」という膨張を続けてエネルギーが失われ氷つくのか、「ビッグ・リップ」という急激に膨張し引き裂かれてしまうのか、盛んに研究が行われています。

ここで、簡単な足し算をしましょう!
(私たちの身の回りの物質4%)+(ダークマター23%)+(ダークエネルギー73%)=100%
これが、私たちの宇宙です。

「宇宙はどうやって始まったのか。宇宙は何でできているのか。宇宙に終わりはあるのか。」私は素粒子物理学の観点から、この疑問を解明したいと考えています。
1638年、ガリレオは最後の著書となった「新・科学対話」の中で、このように述べています。
「重要なことは広大な科学への道を開くことであり、私のしたことは、端緒に過ぎない。
やがて私より優れた新鋭たちが次々に現れ、この道を通って奥深くまで真理を探究していくだろう。」

謎に満ち、「私たちは何ほども知らない」という、最先端の科学が突きつける「宇宙の真実」がそこにあるのです。ガリレオから 400年、宇宙観の大きな転換期の中で、私はその「煌(きらめき)」を見出したいと切に願っています。

●補足<弁論大会用原稿から削除した内容>

以下、制限時間と分かりにくさの都合で、弁論大会用原稿から削除した内容です。

1)ガリレオ・ガリレイは、自らの手で磨き上げた20倍の倍率を持つレンズを木の筒に取り付け、人類で初めて星々を観測しました。
2)太陽系のある「天の川銀河」は、ガリレオによって星々の集まりだと分かり、以降天文学の発展により、「スパイラルアームを持つ渦巻き状構造」であることが確認されました。何千億個の星が群がる銀河の中心には星が密集し、明るく膨らんでいる「バルジ」があります。
3)素粒子とは、物質を細かく砕いていくといつしか辿り着くであろう「これ以上分けられない最小の粒」で、その最小の粒を追い求めてきた100年あまりが素粒子物理学の歴史です。ヒッグス粒子をはじめ「標準モデル」のほとんどの素粒子は、スイス・フランス国境をまたいだ巨大実験施設LHCで発見されました。LHCは地下100mに掘られたトンネル内にある環状の加速器で1周が27キロメートルあり、山手線1周に匹敵します。
しかし、「標準モデル」以外の未解明の素粒子の存在を見つけるためには、LHCでは能力的に限界があり、更に巨大な実験施設を建設する必要があります。
その建設地の最有力候補として、日本の岩手県北上山地と、福岡県・佐賀県にまたがる脊振山(せふりさん)が挙がっています。今年の6月9日、海外の研究者が日本に来日し、候補地を視察したというニュースがありました。
この計画は、ILC国際リニアコライダー計画と言われ、長さ30㎞もある直線状の加速器を建設する巨大プロジェクトです。これが実現すれば、日本に世界の物理学者が集まることでしょう。
4)「超対称性粒子」は、「標準モデル」と素粒子の自転の勢いである「スピン」が異なるパートナーであると存在が予言されています。
ヒッグス粒子は、「標準モデル」の中で唯一スピンを持たない(スピン0)素粒子です。
5)「ビッグ・フリーズ」は、膨張を続けてエネルギーが失われ絶対零度の-273°になり氷つくと考えられています。

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