講演会「エネルギーと環境問題」に参加して

【今日のひとこと】 2013年12月27日

(向井彩野・8期塾生)

 みなさん、こんにちは。8期生の向井彩野です。
12月7日に私の中学校で北野大先生(淑徳大学 総合福祉学部)の講演会がありました。
「エネルギーと環境問題」というテーマで、とても学びの多いものだったのでレポートします。これを読んで環境問題について理解し、自分に何が出来るか考える機会にしていただけると嬉しいです。

1、過去の環境問題の例 古代文明崩壊の教訓
イースター島では以下のような流れで環境問題が起こり、ついには文明の崩壊にまで至った。

人口の増加
→森林破壊(エネルギー資源、木材としての利用)
→栄養塩素の流失
→食糧不足、栄養不足
→感染症の大流行
→文明の崩壊

私たちは過去の教訓に学んでしっかりとそれに対処しなければいけない。

2、環境問題の区分
環境問題は以下の3つに区分される。

(1)公害
典型7公害:大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下

(2)地域環境問題
廃棄物、日照、空き地の管理

(3)地球環境問題
地球温暖化、オゾン層破壊、森林破壊、砂漠化、野生生物の減少、海洋汚染
①定義:原因、被害が複数の国(地域)にまたがり、1つの国では対処できない環境問題。
②原因:先進国の原因…工業化
途上国の原因…人口の急増

3、地球温暖化
次は、地球環境問題の中でも特に注目されている地球温暖化について考えていきたい。

(1)なぜ最近になり注目されるようになったのか
実は19世紀から問題視されていたのに、なぜ最近になって注目され始めたのだろうか。

①被害の顕著化
例)ヒマラヤの氷河の後退、異常気象、海面上昇

②東西冷戦構造の崩壊
それまでは環境問題よりもソ連からの国防が大事だったがソ連の崩壊により環境問題を考える余裕が出てきた

(2)気温の上昇
過去100年で0.74℃の上昇
今後100年で5.8℃の上昇

*0.74℃上昇の意味
人間の体温は36.5℃、地球の温度は15℃
→地球の温度が0.74℃上がるというとは人間ならば体温が38℃になるということ
→地球温暖化は強く懸念すべき問題

(3)温暖化の原因
①温室効果ガス
温暖化の原因は温室効果ガスだ。
地球全体のエネルギーの流れを見ると、宇宙から地球へ太陽光が熱エネルギーとして入り、地球から宇宙へ赤外線としてエネルギーが逃げている。しかし、温室効果ガスはこの赤外線を吸収し地球からのエネルギーの放出を抑えてしまうため、これが増加すると地球の気温が上昇し、自然や生活環境に様々な悪影響が生じる。

②主な温室効果ガス
ⅰ、メタン: 水田、家畜、廃棄物、炭鉱などから排出される
ⅱ、亜酸化窒素: 肥料、燃焼などから排出される
ⅲ、フロン: 冷房、洗浄剤など
ⅳ、二酸化炭素: 燃焼など

③二酸化炭素
ⅰ、家庭から出る二酸化炭素
・世帯あたりの排出量 : 5,500kg
・内訳
・マイカー              29.7%
・照明・家電製品          20.7%
・暖房             13.8%
・風呂・シャワーなど  13.7%
・ごみ        5.5%
・台所        4.0%
・冷房        2.2%
・水道        2.1%

ⅱ、大気中の二酸化炭素濃度の変化
1750年 : 280ppm(0.028%)
↓ 産業革命以降増加を続ける
2005年 : 379ppm(0.038%) …人類誕生以来の最高値

ⅲ、二酸化炭素の元: エネルギーとして使う化石燃料の燃焼

ⅳ、日本の二酸化炭素排出量
・11億t弱の二酸化炭素を排出している(世界6位、世界の3.8%、2010年)

(4)地球温暖化による気候や生態への影響

①気温の上昇
2100年までに1990年に比べ1.4℃から5.8℃気温が上昇する。

②海面水位の上昇
2100年までに1990年に比べ18cmから59cm海面水位が上昇する。

③異常気象の発生
集中豪雨の増加、夏季の渇水の増加が起きる。

④生態系への影響
陸上、淡水での生態系崩壊、サンゴ礁への影響がある。

⑤人間社会への影響
熱波による高齢者の死亡、感染症の拡大、熱射病の増加が起きる。

これらの値は幅のあるものだが、だからこそ悪いほうの値に備えて対策をしていく必要がある。そして、この広い幅を狭めるのが科学者の仕事だ。

4、環境問題の推移

(1)環境問題の変化
公害(産業型)→一般環境問題(都市型、生活型)
→身近な生活に公害がかかわるようになった

①具体例
・工場排水→家庭排水
・工場の騒音→自動車、生活の中での騒音
・工場の煙→自動車の排気ガス

②家庭排水
・水を一番汚している場所は?
1位 台所
2位 トイレ
3位 風呂
4位 洗濯
→台所での汚れをなくすことが大切(一番の汚れの原因は油)

*下水処理によって水の汚れがゼロになるわけではない(約10倍に薄められるだけ)
→家庭で出す汚れを減らすことが大切

(2)とられる手法の変化
規制→規制+金銭経済的手法

①変化の原因
・環境問題が変化したから。
産業型…工場だけを調査して規制すればいい
生活型…範囲が広いため規制にお金がかかる

②具体例
・温暖化防止税…化石燃料などに税金をかけることで二酸化炭素排出量を減らす
・有害物質の環境排出量に応じた課徴金→すでにヨーロッパで行われている
・ごみの有料化
・デポジット制度の導入 (ビール瓶等)
…物を購入するときにビン、カン、パックなどの分だけ余分にお金を払い、返すと返金。

→個人や企業の意識改革によってよりよい環境の創出につながる。

5、環境問題による被害

(1)環境問題による被害

①健康
・大気汚染によりぜんそくになる:  四日市ぜんそく
・地球温暖化により熱射病が増える。

②財産
・酸性雨により銅像が溶ける。
・異常気象による洪水で家が流される。

③生態系
・地球温暖化で海水温が上昇したことによるサンゴの白化。
・海洋汚染により魚がくらせなくなる。

④快適性
・騒音がうるさい。
・水質汚濁による悪臭。

(2)環境問題と3つの不公平
環境問題はすべての人間、すべての生物に同じように被害を与えるように思われるが、実は違う。そこには「弱いものいじめ」という弱者に対する3つの不公平がある。

①世代内の不公平
体の弱い人、貧しい人、貧しい国に特に影響が出る。
例)水俣病…汚染された魚を食べた貧しい漁師たちが被害にあった。
四日市ぜんそく…赤ちゃん、老人、体の弱い人に特に被害がでた。
イタイイタイ病…カルシウム不足の妊婦、妊娠直後の女性に多く被害が出た。

②世代間の不公平
便利になって利益を得る世代とその代償を受け取る世代が違う。
…原因を作ったときは特に被害はないが、その影響を受けるのは次の世代。
例)地球温暖化、オゾン層破壊

③人以外の生物への不公平
人以外の生物は、人とちがって対策を取れない。
例)土壌が汚染されても植物は動けない。地球温暖化が進んでも、動物は毛皮を脱げない。

この世に不公平はあってはいけない。不公平な環境問題を解決するために、私たちが出来ることを考えていかなければいけない。

6、環境問題解決のために

(1)私たちの目指す社会

①持続可能な発展 sustainable development
・1988年 環境と開発に関する世界委員会
「将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなく、今日の世代の欲求を満たすような発展」のこと。
→資源の効率的な活用と世代間、世代内の平等な分配を考慮した開発政策が重要

②持続可能な社会とは
・環境はもとより、経済、社会の面からも質の高い生活を保障する社会
・環境と社会経済活動との健全な関係が保たれた社会
・資源やエネルギーの使用が効率化され、環境負荷の低減された社会(低炭素社会)
・多様な生態系が保全され、人と自然の豊かなふれあいの確保された社会(自然共生型社会)

(2)私たちに出来る対策
私たちに出来ることは小さいが、小さな意識改革が環境問題解決を大きく進めることになる。

ⅰ、もったいないの考え方
環境問題には物やエネルギーの無駄づかいが深くかかわっている。無駄づかいをなくすために大事なのが、もったいない、つまり物を大切にする考え方だ。「もったいない」は 日本が世界に誇れるすばらしい言葉だ。だからこそ日本が積極的にもったいない文化を広めていくことが大切だ。いい物を長く大事に使い、なるべくごみを出さない。これを実践すれば無駄づかいは大きく減る。

ⅱ、物の豊かさから心の豊かさへ
私たちはもう物は十分に持っている。足りないのは心の豊かさだ。物はなくなるが心はなくならない。だからこそ物に満足するのではなく心の隙間を埋めてくれるなにかを探す必要がある。物にばかり頼る生活から人の心に頼る生活に変えることで人は新たに道徳的な進化を遂げることが出来る。それはエネルギーや物の無駄づかいをなくし、自然環境悪化を止めることにもなる。

ⅲ、具体的に出来ること
・室内の冷房は28℃、暖房は20℃に設定する。
・水道の蛇口はこまめに閉める。
・エコドライブを心がける。
・エコ製品を選んで買う
・買物のときのごみ(レジ袋など)を減らす。
・電気をこまめに消す。

今回、一番印象に残ったのは環境問題が「弱いものいじめ」だということだ。弱者への被害が大きいというのは彼らを更に苦しめる原因になる。自分に出来ることは何か、改めて考えるきっかけになった。自分の無駄づかいの向こうに苦しんでいる人がいることを考えて、「もったいない」を忘れずに生活していきたい。また、何が環境によくて何が悪いのか、何が効果的でなにが効果的でないのかをしっかり理解したうえで、正しい対策を行いたい。

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