【今日のひとこと】 | 2014年02月10日 |
(大鶴啓介・7期塾生)
こんにちは。7期生の大鶴啓介です。
神戸で行われた竸基弘賞授賞式に、部活の友達と一緒に行ってきました。
竸基弘賞は、阪神淡路大震災で亡くなった竸基弘(きそいもとひろ)さんにちなんで、レスキューシステムに貢献した研究者や技術者に与えられる賞です。 また、ロボット大会などで与えられる奨励賞もあります。
僕たちはロボカップジュニアという大会で、この奨励賞の一つであるIRS賞を受賞しました。
ロボカップジュニアは、世界規模で行われている、主に小学生から高校生までが参加するロボット大会です。各地区のノード大会、ブロック大会、そしてジャパンオープン、世界大会へと勝ち進んでいけます。さまざまな競技があり、そのうちの一つに、2人以上のチームで参加します。
僕は、同じ部活の友達と3人でチームを組み、「レスキューAプライマリ」という競技に参加しました。この競技は、自立型ロボットで、災害現場に見立てた競技フィールドを進み被災者を救出することを目的としたものです。僕たちは、地区大会を勝ち進んで、2013 年5月に行われたジャパンオープンに行きました。
ジャパンオープンではいろいろなトラブルがあって、あまりいい結果ではありませんでしたが、完全に自作の車体であったことなどが評価されたらしく(ロボカップジュニアではキットを利用する人が多いです)、IRS賞を受賞しました。
竸基弘賞授賞式は、2014年1月に神戸で行われました。
授賞式では、三人の方々の講演を聞くことができました。
日本原子力研究機構の川妻伸二さんは、原発事故でのロボットの運用について講演してくださいました。チェルノブイリ事故では様々なロボットが投入されたものの、放射線によって壊れてしまったことなどを学びました。また、ロボットを作ったときの想定通りの災害が起こることはなく、災害は必ず違う形でやってくるので、その状況に応じて改造や最適化ができなくてはならない、ということが印象に残っています。
次に、竸基弘賞の特別賞を受賞された柴田崇徳さんが、アザラシ型のセラピー用ロボット「パロ」による東日本大震災での支援について話してくださいました。ロボットはアレルギーや感染症、住居問題などがないため、「パロ」は多くの避難所や仮設住宅に置かれ、被災地の人々に喜ばれたそうです。「パロ」はたくさんの被災者の心の支えとなっていて、すごいロボットだと思いました。
学術業績賞を受賞された衣笠哲也さんの講演は、開発している柔軟全周囲クローラについてでした。これは、ロボットを囲む一本の湾曲するクローラで移動するというものです。この、ロボットをクローラで包んでしまうという発想には驚きました。製作する中でさまざまな問題が発生し、それを克服しながら開発してきたらしく、やはりロボットは試行錯誤の繰り返しなのだと感じました。
授賞式ではレスキューロボットについて多くのことを学ぶことができ、とても面白かったです。この経験を可能にしてくださった方々には、深く感謝します。
【参考】競基弘賞について
http://www.rescuesystem.org/IRSweb/award.html