筑波大学のGFESTプログラムに参加!

【今日のひとこと】 2014年10月15日

(杉井万里子・8期塾生)

筑波大学でGFESTというプログラムが行われていて、興味があったので応募したところ、合格することができました。GFESTのプログラムで、先月28日に筑波大学にて研究・科学倫理と最先端科学についてのご講義を受けたので、その内容を、おおまかにまとめました。
※どちらも、先生に許可を得た上でアップしております。

研究・科学倫理 ~科学的とはどういうことか~   野村港二先生

1.「科学」ってなんだろう
科学をすることの過程は次の7項目から成る
①問題を発掘する。
②過去の研究経過をたどる。
③問題解決のための仮設をたてる
④調査、実験を行う。
⑤データを解析する。
⑥学説を立てる技術を確立する。
⑦研究成果を公表する。
語源は諸説ある→「全体があって、それを切り分けることで物事を明らかにする」
→「初めから個別ばらばらに始める」

2.自分のオリジナリティー
大切なのは、初めてであるということは、今まで誰も語ったことがない、作り出したことがないオリジナルな内容であるという点。自分独自の研究をすれば、original(本物である、独創的な)研究となる。

3.オリジナルティーを実現するには
自分の学説がオリジナルであることを示しながら、真理の探究や新しい理論の構築を追うのが研究者
先人の業績に対しては、
→・他人の業績をきちんと認める。
・いつどこで誰が言ったことかを明示すること。
・自分の考えは揺るがない論拠を持って発言すること。
で十分。
剽窃、改ざん、捏造はしてはならない
→×やったら罰せられるから
〇オリジナルな研究を行った自分をアピールできなくなるから、規則や法律をきちんと守りながら、自分のオリジナル性をアピールした研究を行うべき。

4.「事実」と「意見」
「事実」…主観を交えずに把握できる物事や、ある時ある所にある者が存在したといった事柄。私達が気づいていても気づかなくても、そこにある物事だが、言葉にできたもの。
「意見」…言った人にとっては意見、引用する我々にとってはそういう事実があったということ。感性が動くことで、気持ちを込めて言葉などで表現した何か。
「情報」から「事実」と「意見」を分別しなければならない
→「前提」「場面」「事実」などを抽出してから「つっこみ」を入れれば、同じように客観的「事実」と、自分の主観の入った「意見」を見分けられる

5.文献などの引用
科学論文は、他の人が発表した内容にもとづいて議論を深めるもの
レポートや論文の最後に、全ての引用文献を列記する(著者名、書籍開始ページ、年…等)

6.用語と文体
科学作文では、伝える言葉ごとに、まめに辞典をひき、用語の定義を確認しながら書く習慣をつけるべき。
①専門用語
同じ専門の者同士が読めば、きちんと定義された内容を間違えずに伝えられる便利な言葉だが、分野によって異なる意味で用いられることがある(ex.植物生理学上の核→細胞の核、園芸学上の核→ももの種のような核果の種、物理学上の核→核物質)ので、専門のことなる人がいる場での発表では、専門用語の定義をきちんと述べてから使うべき。ただし、これは自分の中でわかっていれば良いのであって、発表時にも言う必要はない。
②形容詞と副詞
大きい、速いなど、何かを比較する品詞を用いる時は、複数の物事を定量的に比較することで議論を行う必要がある。また、どのぐらいの差なのかも同時に表記するべきである。
③固有名詞、商品名
試薬などで、異業種や海外では別の名前でよばれているものもあるため、その名称が通用するかどうかを確認するべき。

~感想~
野村先生のご講義を受けて、いかに、「自分だけの、独創的な研究」が大切を
実感しました。学校で所属している化学研究会で研究しているのですが、結構
様々な文献に頼ってしまうことがあります。しかし、それではオリジナルな研
究にはならないのだな、ということを痛感しました。今後は、全て自分の力で
考えて、思考錯誤していきたいと思います。

最先端科学講義 ~微生物も群れて会話する~     野村暢彦先生

1.微生物について
微生物は、肥沃な土壌1gに約一億匹、砂漠の土1gには約一千匹含まれている。だから、土中の微生物を守れば、土のバランスがとれ、緑が守られる。意外と微生物はなくてはならない存在である。また、微生物は、多様性にあふれ、数えきれないほどの種類があり、好気性微生物(酸素呼吸)や嫌気性微生物(窒素呼吸、硫酸呼吸)、好圧性微生物、好熱性微生物などもいる。

2.微生物の群れバイオフィルム
①バイオフィルムとは?
バイオフィルムとは、簡単に言うと、微生物が付着し、群れをなすことである。微生物の80%以上はバイオフィルム(群れ)を成して行動している。環境中の植物には乳酸菌がバイオフィルムを形成し、人々に関わる微生物もバイオフィルム(細胞と細胞外マトリクスから形成)を成している。
②BF(バイオフィルム)と細胞外のネトネト
細胞外のネトネト成分は、細胞外多糖、細胞外タンパク質で、酸素の有無など、環境の違いによって、ネトネトの付着具合が異なってくる。歯の表面のミュータンス菌なども、砂糖の有無によって付着具合が異なり、それが虫歯の原因となる。
③浮遊生活と定着(定住)生活
浮遊生活とは、個としての挙動で、定着生活とは、集団としての挙動である。
(実験)透明なガラス板に浮遊生活をする微生物を付着させ、緑色蛍光タンパク質で染めた。これを、数日間観察した。
(結果)24時間後…個ではなく、集団の生活をし始める。
3日後…神経突起のよう(多細胞のよう)に結合している
(24時間後にみられた細胞の集団がつながり、多細胞のようになる)
④環境応答
全ての微生物が均一に同じ場所に付着するわけではなく、個々の微生物がそれぞれに合った環境であるかを判断し、可逆的付着を起こす。

環境が悪いと判断させるとBF形成が進まない。
→カビ(微生物を削り取ったとしても、残った死骸細胞老廃物がつぎのバイオフィルムの足場となるので、意味がない)等のBF形成制御のための新しい観点からの薬剤開発へのヒント?

3.ありのままの微生物のBF形成を解析できる最新技術
・新しい顕微鏡の開発
試料を破壊しないレーザーによる菌体の反射法を利用(GFP不使用)しているので、生きたままの資料を観察・撮影することができる(ビジュアル型マイクロバイオロジー)
この新顕微鏡での、齲食(BF化すると、難治化する)の可視化に成功

4.微生物も会話する
最近の研究では、多くの微生物はコミュニケーションを図っていることがわかっている。
①Bacterial signalの発信と受信
同種のみならず、異種・異属間でも会話がなされる(この際、Bacterial signalを発信し、その情報をいずれかの微生物が受信するという形態をとる)が、少数の細胞数だけでは情報は素通りするため、一定数以上の受信体が存在している必要がある。
②会話の必要性
微生物間のコミュニケーションは、集団形態の質と量、環境形態を調整するために必要であり、会話によって制御している。
③異端児
まれに、一般の微生物とは異なる言語を使う変異株(嫌気条件下でHHQを用いると、元株と異なるコミュニティを形成可能)が出現する。この、細菌間コミュニケーションをしない微生物をムコイド菌(オピシアニン毒素生産量は少ない)と呼び、PQS(言葉)を聞かない。⇒多様性と不均一性

バイオフィルムではnfxc(自然突然変異株)の出現率は高く、局在性がある。
また、nfxcにストレスを添加すると、WT(野生株)を襲うようになる。

このように、微生物もその時その時の環境にあわせて適応しているので、もっと私達は共在型の菌の制御をすべきである。

~感想~
私は今まで、微生物と共存する、ということを考えたことがありませんでした。
たとえば、ちょっと汚いところを触っただけでいちいちゴシゴシと手を洗ったり、「カビ」と聞いただけで、根こそぎとってしまいたくなったりしていました。
しかし、野村先生のご講義を聞いて、人体や植物にバイオフィルムを形成する微生物もいれば、食品にも、微生物は欠かせないということを聞き、よく考えたら当たり前の事ですが、確かにそうだなと思い、考え方が大きく変わりました。たとえ「カビ」であっても、根こそぎ取れば逆にそこから根を張ってしまい、逆効果ですし、手にも、自分の体にもともと住んでいる良い微生物がいます。これはほんの一部の例ですが、やはり微生物と共存するのが、自然界において最もバランスのとれる関係なのかな、と思いました。

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