二つの祖国と

【今日のひとこと】 2015年2月20日

(横井小夏・8期塾生)

こんにちは。夏合宿でお世話になりました、第八期塾生の横井小夏です。
皆さんに二つのビックニュ-スを報告したいと思いました。

一つ目は、私が去年の夏、JICAの国際協力中学生‧高校生エッセイコンテスト2014で「二つの祖国と」というテーマの作文が佳作で入賞したことです。私には、両国の狭間に立った経験があります。この経験を、もっとたくさんの人たちに知ってもらいたいと思いました。人は知ることによって優しくなれる。それが、国際平和へと踏み出す第一歩だと思いました。皆さんも是非、読んでみてください。(※下記ご参照)

二つ目は、私が愛知県の難関校に合格したことです。合格できると思ってもいなかったので、とても嬉しかったです。受験のときには、JICAの作文が入賞したことと、育成塾に参加したことが大変励みになりました。今年になって、改めて育成塾に参加できたことに感謝しています。今から、初めての日本生活に少し緊張しています。高校に入学することを機に、新しいスタ-トに立ちたいと思いました。これからは、日本でのキャンプや講座にどんどん参加し、科学を学び続けていきたいと思います。

****************************************

「二つの祖国と」   横井小夏
私は二つの国と深い関わりがある。それを意識し始めたのは、小学校に入いる頃だ。当時は、両親が異なる祖国をもっているという認識だけだったが、成長するにつれ、徐々に考え方が変わってきた。

小三の夏休み、私は一時帰国した。その機会に市立小学校で体験入学をした。登校初日、私は「香港から来ました。」と自己紹介した。途端に質問が矢のように飛んできた。「中国って怖くない?」や「中国人ですか」等全てが中国に関するものだった。訪れたことがない外国だけあって、関心があったのだろう。その輪の中に自分が入っておらず、自分だけが「半分中国人」と改めて感じた。

小五、学校で「国民教育」という授業があった。内容は「中国の歴史」。対象が国民なので、当然中国人の教育だ。私だけが二つの祖国をもっていたので、「特別な人」だった。第二次世界大戦時、香港が日本軍に占領された頃を語るものだった。
先生が「日本の犬どもは、槍で片端から本国の国民を射殺していった」という文章を読みあげると、教室が沸騰したようになり、次の瞬間、何十もの視線の先が私にあった。私は緊張と驚きで蒼白になり、額にはあぶら汗が浮かんだ。それらが鋭く嫌悪に満ちていたからだ。その時私は悟った。自分は「半分日本人なのだ」と。

私は今まで、二つの祖国の狭間にいた経験がある。それは日中外交関係が良好ではないからだと考える。私は二国の同胞に、もう一方のことを知らせようと、実行してきた。
五才のとき、母と二人で紙芝居を作った。私と同じ立場にいる二つの祖国をもつ仲間のことをもっと多くの人たちに知ってもらいたいと思ったからだ。紙芝居は四か月かけて完成させた。13枚の紙に私たちの思いが込められている。これを公園で何度も披露した。
日中両文化に浸り、二言語で生活する私は、どちらか一方の国を選択することができない。それは、どちらも私の国で、どちらも好きだからだ。両国の関係を改善するにはお互いを知ることだ。私は五歳で第一歩を踏み出した。

2011年3月11日、東日本大震災。テレビの映像で映し出された祖国は想像を絶するものだった。
「誰かの役に立ちたい」と思った。学校で許可を得て、各クラスに呼びかけた。先の歴史の授業を受けた同級生のみんなも日本のために協力してくれた。一週間で総額13万円の募金が集まった。嬉しかった。

中学生の私たちに何ができるのだろうか?
私は日本史と中国史を学んでいる。両国の関わりは深い。寄付金を募ったり、ボランティア活動をしたりすることも有意義だが、私たち中学生が今すぐ誰にでもできることが一つある。それは歴史を勉強することだ。さらに、相手の言葉で歴史を読んでみることだ。

人は知ることによってやさしくなれる。一人ひとりが内なる平和をもったとき、初めて国際平和が実を結ぶと信じている。

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

二つの祖国と への1件のコメント

  1. 本吉真菜 より:

    エッセイコンテスト入賞&難関校合格おめでとう!!!
    もしかしたら、三月の同窓会で会えるかな?!と思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>