国際地理オリンピックの報告

【今日のひとこと】 2016年9月2日

(大鶴啓介・7期塾生)

  お久しぶりです。
  今年の合宿も無事終わったようですね。11期生の皆さん、お疲れ様でした。思い出に残る夏休みになったことと思います。

  この夏休みに僕は、北京に行ってきました。国際地理オリンピックに参加するためです。
  ここで、「なぜ地理?」と思われた方も多いのではないでしょうか。確かに地理は社会科に含まれており、文系の暗記科目、という印象が定着しているでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。
  地理は、地形や気候、産業や生活の特徴を把握し、その原因や仕組みを示すことで、世界を論理的に理解し、未来を予測することを目指す学問です。人間の行動が関わってくることを除けば、他の理系科目とやっていることはほぼ同じです。日本の教育では地理の文系的な側面がメインで扱われているようですが、本来地理は文系と理系の両方の側面を持つものだと思います。そして地理オリンピックでは、その理系的側面を中心に扱います。ただ暗記力だけを試してくるような問題はほとんどありません。読解力や論理的思考力、想像力が求められるのです。実際、文系でも理系でも国内予選を受験できますが、代表に選ばれた4人は全員理系でした。地理オリンピックが科学オリンピックの一つとして含まれているのもこのためだと思います。

  今年の国際大会は、8/16-22に北京で行われました。地理オリンピックでは、テストはすべて英語で行われます。ただし、英語で教育を受けていない人に不利にならないよう、試験時間を長くしたり辞書の持ち込みを認めたりなどといった配慮はなされます。テストは3種類あります。
  一つは、マルチメディアテストです。一人一人にコンピューターが用意され、スライド形式で4択の問題が1問ずつ表示されるので、答えを解答用紙に書きます。キーを操作することで問題を切り替えることができます。表やグラフ、写真などから情報を読み取る問題が多く出題されます。
  マルチメディアテストは国内予選の1次選抜でも行われますが、その際は問題が前の大きなスクリーンに表示され、1分おきに問題が切り替わっていきます。いずれにせよ、普段はなかなか受けることのない問題形式であり、たいへん面白いです。
  二つ目のテストは、記述式テストです。地理の様々な分野から大問6問が出題され、英語で教育を受けている人は150分、受けていない人は180分で解きます。選択問題や計算問題から説明を書く問題や解決策を提案する問題まで、様々な形式の出題があります。図で説明させる問題もあり、表現力も試されます。
  三つ目は、フィールドワークテストです。屋外に出て行われるテストです。出題形式は年によって大きく異なりますが、基本的には、特定のエリアの調査をし、再開発プランを提示するような問題です。今年は北京市内の、団地、川、交差点、の3地点について、それぞれ問題が出題されました。各エリアを歩き回り、与えられた問題に答えるためのメモを取ります。その日は強い雨が降っていて、レインコートを着て調査をしましたが、紙がびしょ濡れになってめくろうとすると破けてしまうなど、大変でした。教室に戻ってから、エリアの実態を整理したり、問題点を指摘したり、空き地の開発プランを示したりといった問題に答えました。
  フィールドワークテストを通して開催都市の実態についてより詳しく知ることができるというのも、地理オリンピックの魅力の一つだと思います。

  テスト以外にも、様々なイベントが行われました。例えば、ポスターセッションです。チームごとに地理に関するポスターを用意してきてそれについてのプレゼンを行い、他チームのポスターを見て回ることができるイベントです。他にも文化交流会があったり、エクスカーションで故宮や長城に行ったりと、楽しい時間を過ごすことができました。
  また、他の国の選手と話すのもたいへん楽しかったです。互いの国の文化や言語、教育制度や国内予選の様子などについて語り合う中で、いろいろなことを知ることができ、またいろいろなことに気づかされました。
  大会の結果としては、銀メダルを取ることができました。また、日本チームとしてポスター賞もいただいたので、とてもうれしかったです。

  この地理オリンピックを含む科学オリンピックの存在を知ることができたのは、創造性の育成塾のおかげです。本当にありがとうございました。

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